2010年10月7日木曜日

神学入門・・・筆者の場合

最初に掲げた題に惑わされないように。

これから書こうとしていることは、筆者が「神学」と言う学問に入門した経緯ではありません。
そうではなく、たまたま最初に手にした神学書がどんな本で、どうしてその本を手にするに至ったかを書いてみようと思います。

筆者が大学に入った頃か、あるいはそのちょっと前か、時期ははっきり覚えてないのですが、その年頃になって教会学校のクラスを担当するよう牧師である父から言われたのです。

小学5年生で洗礼を受け、お祝いに旧新約聖書をもらい、その後、多分一度か二度、まともにかどうか記憶はありませんが、所謂通読をしたことはありました。
でも自分がクラスで教えると言う立場を自覚した時、はたと自分の足りなさに気付いたのです。

何とかしなければならないと思いましたが、父親には相談せず、父の本棚から参考になりそうな本を探してみました。
そうして手にしたのが、F.F.ブルース「新約聖書は信頼できるか」でした。

なぜこの本だったのか自分なりに思い出してもはっきりしませんが、多分筆者がその時抱いた「教える責任感」のようなものが、この本のタイトルに結びついたのだと思います。
あるいは自分なりに、そのような信仰の弁証的理解の必要を、うっすらと自覚していたのかもしれません。

何はともあれ、この本が筆者の「神学入門書」となりました。

今から考えると我ながら良い本を選んだと褒めてあげたくなります。
と言っても、自分で本屋へ行って選んだわけではなく、父の書棚から勝手に一冊引っこ抜いてきただけですから、父の本の選び方に、より依存していたことになりますが・・・。

ページ数はそれ程ない、比較的小著だったと記憶しています。
多分読み通したと思います。

そして本の題の通り「聖書が信頼できるものである」ことを説得的に受け取れたと思います。

その本自体は、教会学校のクラスを教える時の参考には(高尚過ぎて)なりませんでしたが、少なくとも教える本人の態度には積極的な影響を与えたと思います。

その後大学を卒業し、米国留学するまで、「神学」を独学で修めるようなことはしませんでしたが、数冊は父の書棚から勝手に引っこ抜いて読んだような記憶があります。

と言うわけで、筆者の最初の神学入門書が新約聖書に関するものだった、と言うのも今考えると大変興味深いものがあります。
と言うのも、過日のポストで留学の地での「古書漁り」のことを書きましたが、福音主義ではカール・ヘンリー、その後はニーバー兄弟やティーリッヒなど、神学書も大分集めたのですが、それらの所謂「神学」書よりも、筆者が今最も関心が深いのは「新約聖書学」だからです。

何か一周回った感じがします。
(※そのうち関心はまた変わるかもしれませんが・・・。)

2 件のコメント:

  1. そうでしたか、FFブルースのあの本でしたのですか。私は30代に入ってから、たまたま寄ったキリスト教書店で見つけ、読みました。私は、『使徒行伝』がブルースとの最初の出会いでした。後で、ブラザレン派の研究をしているうちに、ブルースが自派の出身だと知り、あれれ、と思いました。

    最初にであった神学書は、「ライル ヨハネの福音書講解」でした。あまりにその内容が深く、もっと聖書が勉強したいと思い、ライリー、ロイドジョンズ、マクグラスとそれこそ手当たり次第に手を拡げていくことになり、和書に飽き足らず、となってしまいました。

    その意味で、のらくら者の日記のH先生や小嶋先生、はちことぼぼるの日記のはちこさんなどの皆様方に紹介していただける書籍は、大変参考になり、思索を深めるのに役立っています。

    いつもよい本のご紹介やインスパイアリングな記事をありがとうございます。

    明後日は、業務があり、泣く泣く参加できませんが、また次回、ご参加させていただければ、と存じております。

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  2. またのコメントありがとうございます。
    こちらはコメント残していませんが、御ブログも楽しみに読んでいます。時に深く追うのが大変な時もありますが・・・。
    ブルースの「使徒行伝」は読んでいませんが(と言うより邦訳書は殆ど読んでいません)Paul, Apostle of the Heart Set Freeは読みました。
    のらくら者さんは大変な読書家のようですね。私は雑読の方かな・・・。いや積読した書籍に囲まれているだけで満足している方かな。
    明日の読書会残念ですね。読書会と言うのは大抵小さな集まりのようで継続することに意義があるようなので、今後も年2回ペース位で続けられればと思っています。
    会の様子は今度こそ読書会ページかブログで紹介できればと思っています。
    それでは今後も「Web同人誌」感覚でお付き合いください。

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