2010年10月12日火曜日

日本も「脱・キリスト教」時代?

ついつい日本のキリスト教の現状を考えるのに参考にしてしまうのが「アメリカのキリスト教」。

先日も「アメリカの新世代キリスト者」と題してポストしたばかり。

実は、このポストも右側の「マイブログリスト」に掲載されている、スコット・マクナイト教授の関心が引き金となっている。

彼は今年だったか、去年だったか「青年層キリスト者のドロップ・アウト」、あるいは、それまでのキリスト教信仰からの「回心」をテーマにしたポストを連載していた記憶がある。

彼は「イマージェント」の良き理解者であり、彼らを全面的に支持しているのではないにしても、このようなポストモダン世代のキリスト者たちが、それまでの「キリスト教国アメリカ」文化に対して違和感を持っている理由を理解しようと努めている。
そんな問題意識から「アメリカ新世代キリスト者」の動向に敏感である。

「アメリカの新世代キリスト者」②で紹介した、ゲイブ・ライオンズ氏もそんな関わりで「友人」関係にあるみたいです。

さてこのゲイブ・ライオンズ氏の「次世代キリスト者、(The Next Christians: The Good News About the End of Christian America)」の副題にもあるように、彼は文化的な意味での「キリスト教国アメリカ」は終わった、との認識に立っている。
次世代キリスト者にとって、それは悲観的な状況ではなく、もっと包括的な福音の視点に立って、アメリカ社会に、アメリカ文化に、対峙し、包括的に取り組む好機だ、と言う姿勢の表れのように思える。(この本の内容については、まだアマゾン・ブックスに注文したところ。まだ云々する段階ではない。)

筆者は過去のポスト(「1%の壁」)で、日本の“統計上”の「キリスト教人口」をどう分析したらよいのか、少し萌芽的なことを書いた。

問題は、伝道の足りなさとか、日本文化の壁、のようことだけではなく、「ドロップ・アウトしていく人たち」にもっと分析の焦点を合わせるべきではないか、と考えている。
特に青年層のドロップアウト率が高いと推測している。

現在の教会に同年齢層が少ないとか、現在の教会が青年層に魅力的でないとか、そんな認識ではなく、もっと根本的な分析が必要ではないかと感じている。

そういう意味で、先のゲイブ・ライオンズ氏が、自身でこの「青少年層のキリスト教意識」を全国調査しその文化的背景を分析しようとした点、見上げたものだと感心してしまう。

翻って日本の青年層の「ドロップアウト」の文化的背景はどうなのだろうか。
誰かこの年代層キリスト者の意識調査をやってくれるクリスチャン・マスメディアはないのだろうか。
あるいは、そんな意見調査をしてくれる、スコット・マクナイトの「ジーザス・クリード」級のブログはないのだろうか。

そのような意識調査や意見調査のまとまった結果がないと、日本も「脱・(古い)キリスト教」時代に入りつつあるのかどうかは何とも言えない。

(日本とアメリカではキリスト教の文化的勢力図が大きく異なっているので、筆者の目下の関心はキリスト者が少数派である日本の青年層キリスト者の意識とその文化的背景である。)

2 件のコメント:

  1. 脱キリスト教:いろいろな解釈ができる言葉ですね。
    実は、私自身も脱キリスト教・脱宗教を唱えるカトリック信者です。 どういう意味でか? を次のサイトでごらんいただけます。

    http://ilovejesus.minibird.jp/

    ご意見・ご感想を頂戴できれば幸いです。

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  2. 橋口様、
    遅くなりましたが、(初?)コメントありがとうございました。
    確かにその方の立ち位置によって肯定的にも、否定的にも取れる言葉ですね。

    アドレスにあった御ブログをお訪ねしました。ちょうど最新記事読ませていただきましたが、「イエスの復活」がキリスト者の“現在的”復活体験に優先するとの指摘(と読めました)はそうだと思います。
    「復活はイエスに特有のことではない?」でのイエスの復活が、ナザレのイエス自身に起こった出来事である、との指摘もそう思います。
    復活を弟子たちの宗教的体験として解釈するアプローチは残念ながら、歴史と真っ向から向き合わないものだと思います。
    (参考までに、http://www014.upp.so-net.ne.jp/NTW-dokushokai/transcors.htm)

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