2012年5月9日水曜日

神学遍歴③

神学遍歴②を書いてから1ヶ月近く経ってしまった。

前回は米国留学二番目の学校、ケンタッキー州にある聖書学校でのことを書いた。

もともと日本で大学卒業後は、米国のやはりケンタッキー州にあるAsbury Theological Seminaryに学ぶべく準備していたのだが、「留学生奨学金」の選考に漏れ、英語もまだ十分ではない、と言うことでその聖書学校で一年間学ぶことになったわけである。

さて一年後首尾よくその奨学金を戴けることになり、夏の間にアズベリー神学校のキャンパスに移ったのであるが、入学前に聖書全巻を読んで一巻ごとのアウトラインをまとめておくこと、と言う宿題を頂いた。それと言うのも既に当時からキリスト教系大学外から神学校に入学する生徒が増えてきていて、基本的な聖書知識もない、と言う事があったからだ。

それまで聖書通読は何度かしていたが、アウトラインにまとめるほどちゃんと読んではいなかった。旧新約聖書をこのように読み通すことは当時の筆者にはなかなか苦行であった。先が思いやられる感じもした。

さて正式入学後最初に取った「基礎教理」みたいなクラスであったが、そのクラスでの最初の課題が『受肉と贖罪』についての小論を書くことだった。つまり今までは多少なりとも神学書みたいなものは読んだことがあったわけだが、ここで初めて「神学する」「神学的思索をしてそれを書き表す」と言う仕事を課せられたわけであった。

ダブルスペースで8-10枚位書いた(当時はタイプライター)だろうか、手元に残っていないので記憶を頼りにするだけだが。どうやって書いたかというと、聖書の関連する箇所さえ十分には分からないので「神学辞典」を頼りにした。該当項目を先ず丹念に読んで、一体何についてのことか、どういう主題なのかを把握することから始めた。次に参照されたりしている聖書箇所を実際に読みながら思索を深めて行った。最も困難なのは「受肉」と「贖罪」を関連付けることで、思索的なこととは主にこの作業であった。

大したことを書けたわけではなかったが、何か初めて神学に触れた感じがした。という訳でこの時点での神学遍歴はまだ「だれそれの神学者」と言う事ではなく、神学書の入門としての「神学辞典」だった。今となっては神学辞典を参照するということは余りなくなったが、一般信徒も含めて良い神学辞典を持っていることは助けになると思う。

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