2012年6月26日火曜日

61ha 絆

最近「映画を見る」機会はめっきり減った。
映画館はもちろん、テレビやDVDでも。
時間的に集中力がなくなったからだろうか。

そう言う訳だが、昨年6月に鎌仲ひとみ監督ドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」を見た(ブログ記事)のに続いて、今年もまた6月、昨日25日サロン上映会「61ha 絆」を見てきた。


瀬戸内海にある大島にあるハンセン病療養所「大島青松園」で暮らす東條高・康江夫婦の日常を追い続けた記録映画だ。
康江を軸として、その人生を写真や字幕で説明しながら映画は進む。

強制収容とは知らずに「3年で出られる」と言われて祖母に連れられて島に来た。
別れの切なさ。
結婚。

失明。その後は夫高の甲斐甲斐しい世話を受けながら生きて来た。

康江は島に来て何時頃かキリスト教に入信する。
食事のシーンでは「食前の感謝祈祷」が入る。
康江の病気をきっかけに後から入信した
きた高の祈りも記録されている。

自分の運命が知らない糸に操られるように生きて来た康江の心の底には言い知れない思いがあるに違いないが、普段の姿からは恙無い生活への「感謝の言葉」以外に余り見当たらない。
時々の思いは短歌に表現されてはいたようだが。


教会での礼拝シーンが二度だか出てくるが、二回とも「主の祈り」が捧げられるシーンを含んでいる。心なしか主の祈りの中の「赦したまえ」ということばが、彼女の人生の様々な困難や不条理に対する一つの回答として響くように聞こえるのだ。

ハンセン病問題に対する社会派的ドキュメンタリー映画ではなく、背負わされた環境の中でたんたんと生きる夫婦の物語りである。


監督:野澤 和之
撮影:堀田泰寛
インタナシヨナル映画 製作 ©2011年
「 61 ha 絆 」製作委員会
文部科学省選定 青年向き・成人向き
助成 文化芸術振興費補助金 

サロン上映会
日程:2012年6月21日(木)~6月27日(水)
上映時間:14:00~/19:00~(いずれも30分前開場)
会場:カーサ・モーツアルト(東京都渋谷区神宮前1-10-23)
最寄駅:地下鉄千代田線・副都心線明治神宮駅5番出口
JR原宿駅表参道口
会費:1,500円
(予約制090-6527-1490/61ha.info@gmail.com)

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